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3. 自動計算のためのツール

バージョン 3.2 以降の XFree86 には、ビデオ情報の調整数値を直接意識させ ずに、動作するモニタのモードを対話的に簡単に作成する XF86Setup(1) プログラムが付属しています。したがってほとんどの 場合、基礎となるモニタのモードを実際に計算する必要はありません。 ただし残念ながら XF86Setup(1) にはいくつかの制限があり、 1280x1024 までの標準的なビデオのモードについてしか情報を持っていません。 非常に高性能で 1600x1200 以上が使えるモニタを持っている場合はまだ、 基礎となるモニタのモードを自分自身で計算しなければいけません。

KDE には、モニタとカードの基本特性値からモード行を計算する KVideoGen というツールがあります。筆者はこれを使ってモード行を作成するテストは行 いましたが、そのモード行を実際に試したことはありません。kvidegen の 水平と垂直の「リフレッシュレート(refresh rate)」パラメータは、後述の 同期周波数である HSF および VSF と同じです。 「水平同期信号(horizontal sync pulse, HSP)」数は、同期信号幅をマイクロ 秒単位で表したもののようです(このツールでは 「フロントポーチ(front porch)」 HGT1 値と 「バックポーチ(back porch)」 HGT2 値は定数としています)。 「水平同期信号」数がわからなければ、デフォルト値を使うのが安全でしょう。

最近の XFree86 には xvidtune(1) というツールが付属しています。 これはモニタのモード行のテストや調整に役立つことがお分かりいただけるで しょう。このツールは間違えて使った時の結果について恐ろしげな警告を出し て起動します。 この文書で言っていることによく注意し、xvidtune のウィンドウに表示され るたくさんの数値の裏にある意味がわかるようになれば、自信を持って効率的 に xvidtune を使えるようになるはずです。

xvidtune(1) を持っている場合、X の設定ファイルを変更せずに、 あるいは X サーバの再起動さえ行わずに、そのままの状態で新しいモードを テストできます。xvidtune がなくても、XFree86 では XF86Config ファイルに定義されている複数のモードの間をホットキーを使っ て移動できます(詳しくは XF86Config.man を参照してください)。この機能 を使って面倒を避けましょう! 新しいモードをテストするときは、このモード に固有のラベルを与えて、ホットキーリストの 最後 に追加してく ださい。 新しいモードが動かなかったときの保険として、既に動いているモードは デフォルト値のままで残しておきましょう。

本文書の終わりの方に `modeplot' 用のスクリプトを載せています。このスク リプトを使うと、利用可能なモードのアナロググラフを作成できます。これは モード行の作成に直接役立つわけではありませんが、モード行を定義している 各数値の関係を理解する上で役に立つと思います。


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