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12. モニタの仕様外使用

固定周波数型のモニタの場合、モニタの規定走査周波数を超えては絶対に なりません。これをやってしまうと機器から煙を出してしまうかも知れま せん! マルチシンクモニタでも、周波数を上げるとこれよりは些細ながらいろいろな問題が 出る可能性がありますので、心に止めておかなければなりません。

モニタの最高周波数帯域より高いピクセルクロックを使っても、比較的無害です。 (注意: ピクセルクロックがモニタの帯域幅の倍になると、認識可能機能の理論的な 限界に達してしまいます。これは 空間軸上に離散した駆動信号の標本系列に関する Nyquist の理論の単純な応用で、どうしてだかはおわかりですね。)

過度に最大とみなしている同期周波数は疑わしいです。 最近のモニタの中には、危険な走査周波数に対してモニタを消すような保護回路を 装備しているものもありますが、これを過信してはなりません。特に、水平同期用の トランスを一つしか持っていない(Multisync II のような)古いマルチシンクモニタ もあります。これらのモニタを過負荷から保護する事はできません。高電圧安定回路 は確実に備わっていますが、特に安いモニタでは、かならずしも考えられる全ての 周波数帯域をカバーしているとは限りません。このため、電子回路が傷むのが速いだ けでなく、画面の発光体も速く傷み、規定以上の(X 線を含む)放射線がモニタから 放出されることになります。

帯域についてもうひとつ大切なことは、モニタの入力インピーダンスはモニタの 帯域内だけで規定されているので、高い周波数を使うと反射が起こり、軽い 画面上の干渉と電波障害が起こる可能性があります。

しかしながら、ここで問題となっている本質的な問題部分は、ビデオ出力 ドライバ回路のスルーレート(ビデオ信号の立ち上がりの傾斜)で、これは通常 実際のピクセル周波数とは無関係ですが、(ボードのメーカーがこのような問題に 注意を払っていれば)ボードの最大ピクセル周波数と関係があります。

これらに注意しつつ作業をしましょう…。


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