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4. コンパイル済バイナリパッケージ

自分でパッケージをソースファイルから構築してインストールするのは おっくうな作業だからといって rpm や deb などの人気のあるパッケージを 利用する Linuxユーザーがいます。通常 rpm を使うとどこかの悪名高い オペレーティングシステムと同じくらい難なく、迅速にパッケージを インストールできることもあるでしょうが、コンパイル済のバイナリ パッケージは自分でインストールするということの長所を失うことに なるという意見もあります。

まず、通常ソフトウェアのバイナリパッケージはソースファイルがリリース されて相当経ってからリリースされるということを知っておいてください。 ですから、もし、常に最新版のソフトウェアを追いかけて行きたいのなら、 rpm や deb が出るのを待つのは得策ではないでしょう。ごく小数ですが、 有名なソフトウェアのパッケージによってはこれから先も決して rpm化 されないのもあるでしょう。

rpm のパッケージをインストールするのは必ずしも技術を持ち合わせてない 人ばかりがするものではありません。もし、依存関係で競合があれば、rpm のインストールは失敗するでしょう。同様に、シンボリックリンクを 間違ったライブラリに張っていても rpm が現在のシステム上で動作している ライブラリのバージョンとは違うバージョンのライブラリを要求しているならば 、インストールは実行されません。書き込みに必要なパーミッションを得るために rpm や deb をインストールときには、root になる必要があります。 しかし、もしかするとここに深刻なセキュリティーホールがぽっかりと 開いているかもしれません。というのは、うっかりシステムのバイナリや ライブラリに大打撃を与えるかもしれないし、システムに損害を与えるような トロイの木馬がインストールされ得るということさえあるのです。

'信頼できる所'から rpm や deb のパッケージを入手するというのは重要なこと です。どのような場合にもインストールする前に rpm --checksig [パッケージ名] として 'シグネチャチェック'をするのが 良いでしょう。同様に rpm --verify [パッケージ名] とするのも強く推奨 されています。本当に偏屈な人(この場合偏屈病の人のためにいうことがたくさん あります。)のために Sunsite ( ftp://sunsite.unc.edu/pub/Linux/utils/package) の utils/package ディレクトリからパッケージをチェック、展開するための unrpm と rpmunpack ユーティリティーが入手可能です。

The martian ( http://www.people.cornell.edu/pages/rc42/program/martian.html) や alien ( http://kitenet.net/programs/alien/) というプログラムは rpm, deb, tar.gz といったパッケージの形式を相互に変換することができます。 これらのユーティリティーで全ての Linux のディストリビューションで様々な ソフトウェアパッケージを利用することができるようになります。

rpm や deb の最も簡単な使用方法は rpm -i [ファイル名] や dpkg --install [ファイル名] とします。すると、自動的に展開、 インストールされます。しかし、システムの状態を不安定にしたり 動作しなくなる可能性があるので、無闇にこれらのコマンドを使用しないよう 用心してください。

注意:被害の範囲は少ないですが、上記の警告は Slackware の pkgtool ユーティリティーにも当てはまります。ソフトウェアの"自動" インストールはどのようなものにしても注意するようにしてください。

rpm や dpkg について念入りに man ページを読むようにしてください。 そして、詳細については RPM HOWTO ( ftp://sunsite.unc.edu/pub/Linux/docs/HOWTO/RPM-HOWTO) や TFUG's Quick Guide to Red Hat's Package Manager ( http://www.tfug.org/helpdesk/linux/rpm.html) や The Debian Package Management Tools ( http://www.debian.org/doc/FAQ/debian-faq-7.html) を参照してください。


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